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毎日の眉唾な論説

2013年02月12日 22:27

風知草:証拠の示し方=山田孝男 毎日新聞

 証明によって得るものもあれば、失うものもある。

 先月、中国海軍のフリゲート艦(要するに護衛艦)が日本の護衛艦に砲撃用レーダーの電波を浴びせ、緊迫した。国際軍事常識に従えば、それだけでも反撃の理由になる行為だ。

 日本政府は概略を公表して警告した。すると、中国政府が全面否定に出た。そこで「証拠を突きつけるべきだ」との声が高まっているというのが、週末の日本の国会風景である。

 証拠を世界に示せば日本人としては痛快だが、半面、情報能力が露見し、相手方に対応を促すリスクがある。このジレンマで思い出すのは1983年の大韓航空機撃墜事件だ。

 旧ソ連の戦闘機がシベリア上空に迷い込んだ韓国の旅客機を撃墜した。ソ連は認めない。中曽根内閣は、自衛隊が傍受したソ連機の交信記録を米政府に提供、これが決め手となり、ソ連も事実関係は認めた。

 
冷戦末期、日米安保協力の成果だが、自衛隊の探知能力保持という観点から見れば悪夢だった。以後、ソ連が交信方法を変え、捕捉できなくなった。関係者によれば、追いつくのに10年近くかかったという。


 証拠を公表するか、隠し続けるかのジレンマといえば、チャーチル英首相のエピソードが有名だ。第二次世界大戦下の40年、チャーチルはナチの暗号機「エニグマ」の複製を極秘に開発させ、ドイツ軍が英国中部の都市コベントリーを空爆するという情報をつかんだ。

 公表して被害を食い止めるべきか、気づかぬふうを装い、ヒトラーの意図を読み続けるべきか。チャーチルは苦渋の中で非公表を選んだ。空襲で1200人以上が死んだが、最後の戦勝は英国にもたらされた。


 この逸話はチャーチルの特命スパイ、ウィリアム・スティーブンソンの証言録「暗号名イントレピッド」(邦訳は78年、早川書房)に登場する。スティーブンソンは大戦中に英安全保障調整局(BSC)を創設、部下に007シリーズの原作者、イアン・フレミングがいた。フレミングは、ジェームズ・ボンドのモデルはスティーブンソンだと語ったことがある。

 そこで尖閣だ。中国側が挑発した証拠とは何か。砲撃のための火器管制レーダー(Fire control radar)が発する電波の波形だ。浴びせかけられた日本の護衛艦が逆探知でとらえた。その特徴を、海上自衛隊がかねて探り、蓄えてきた中国海軍艦艇のデータと合わせれば発信源を特定できる。

 分析結果は米政府にも伝えられた。不合理な内容なら、パネッタ国防長官も中国を明確には批判しなかったろう。

 中国政府は「通常の警戒用レーダーを使っただけ」と反論した。中国紙は「中国脅威論をあおる政治劇」と書いた。

 警戒用と火器管制用の区別がつかない自衛隊ではない。電波の波形と海自の保有情報を具体的に示して反証することはできる。だが、それは、中国に手の内を明かし、対策へ手がかりを与えることでもある。

 防衛省幹部と海自OBに取材して最も印象に残ったのは、海軍の国際儀礼を踏み外した中国海軍の無規律、非常識に対するウンザリ感だった。「またやりやがったという感じ」「定石を知らないやつと碁を打っているようなものです」−−。

 規律なき中国海軍が膨張し続けている。動かぬ証拠を突きつけるかどうか、将来を見据えての選択になる。(敬称略)(毎週月曜日掲載)

以上引用終わり

長いだけだな。

旧ソ連の戦闘機がシベリア上空に迷い込んだ韓国の旅客機を撃墜した。ソ連は認めない。中曽根内閣は、自衛隊が傍受したソ連機の交信記録を米政府に提供、これが決め手となり、ソ連も事実関係は認めた。

 冷戦末期、日米安保協力の成果だが、自衛隊の探知能力保持という観点から見れば悪夢だった。以後、ソ連が交信方法を変え、捕捉できなくなった。関係者によれば、追いつくのに10年近くかかったという。


この大韓航空機の事件も、

第二次世界大戦下の40年、チャーチルはナチの暗号機「エニグマ」の複製を極秘に開発させ、ドイツ軍が英国中部の都市コベントリーを空爆するという情報をつかんだ。

 公表して被害を食い止めるべきか、気づかぬふうを装い、ヒトラーの意図を読み続けるべきか。チャーチルは苦渋の中で非公表を選んだ。空襲で1200人以上が死んだが、最後の戦勝は英国にもたらされた。


このチャーチルの逸話も、
どちらも相手が気づいていないことを公表するかしないかで葛藤している。

しかし、尖閣のことは、すでに公表され、中国は知っているのだ。
中国が対策をとろうと思えば、今だってやることが出来る。

例としてあげられている2つと、今回の件はまるで同列に語ることができないものだ。

警戒用と火器管制用の区別がつかない自衛隊ではない。電波の波形と海自の保有情報を具体的に示して反証することはできる。だが、それは、中国に手の内を明かし、対策へ手がかりを与えることでもある。

電波の波形まで出す必要性がない。
ロックオンされた時の艦内の様子で十分。

証拠を世界に示せば日本人としては痛快だが

この話は深刻な安全保障の話であって、“痛快”とかそういう次元の話ではない。
いっときのカタルシスを得るために証拠を出そうというのではないのだ。

こういう表現を使うことで問題を矮小化させ、引用する例として適切じゃないものを挙げて、公表しない方へ誘導している。


論より証拠

いつ、どのタイミングで証拠を公表するか、あるいは証拠を持っているぞ、という状態でプレッシャーをかけ続けるか、それは検討の余地がある。
しかし、すでに探知したという機密を(と言ってもさほどの機密ではないが)公表しているのだから、機密が公になるから証拠を出せない、という話はあり得ない。

そして、チャーチルの話は眉唾だ。
この論説と同様に。


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