死刑廃止と罪と罰

2008年04月13日 00:32

以下共同通信より引用

死刑執行に廃止議連が抗議 「機械的処刑、許せない」

 4人の死刑が執行されたことを受け「死刑廃止を推進する議員連盟」のメンバーらが10日、記者会見し、事務局長の保坂展人衆院議員(社民)は「わずか4カ月間に10人が執行された。機械的に処刑が進むということであってはいけない。厳重に抗議する」と訴えた。

 保坂議員は来年5月に始まる裁判員制度に言及し「市民が3日間の評議で死刑か無期か答えを出すということでいいのか。死刑意見が全員一致ではなく過半数だった場合は終身刑とする議員立法を目指す」と述べた。

 死刑廃止に取り組む安田好弘弁護士も、今回の執行が判決確定から最短3年だったことに触れ「確定6カ月以内に執行するとした刑訴法の規定に近づけようとしているのではないか。人の命に対する価値観をどんどん崩壊させている」と指摘した。

2008/04/10 19:31 【共同通信】

以上引用終わり

「ショーシャンクの空に」という映画がある。
無実の罪で終身刑になった男の話だが、その中にこんなセリフがある。

「終身刑とは人生を奪う刑だ・・・」

死刑廃止論者は死刑の替わりに終身刑の導入をとよく言うが、終身刑が死刑より人権的にましな刑だといえるだろうか?

日本の刑法は、犯罪者を更生することを目的としているため、死刑を廃止するという主張には法の精神と整合性がある。
しかし、替わりに終身刑では同じことだ。更生しても社会復帰がなければ意味がない。

死刑廃止を唱えるなら終身刑ではいけない。
終身刑で厳罰主義者の支持を得ようとするのは、死刑廃止の志が泣く。

ちなみに、私は終身刑になるくらいなら死刑の方がいい。

いずれにしても国民的議論による合意形成がなければならない問題だ。

その点で「死刑廃止を推進する議員連盟」の活動には頭を傾げることが多い。

今回の会見でも、保坂展人衆院議員(社民)は
「わずか4カ月間に10人が執行された。機械的に処刑が進むということであってはいけない。厳重に抗議する」
と述べているが、“4カ月間に10人”ということが問題じゃないだろう。
“機械的に”というが、では機械的でない処刑とはどういうのだ?その感情的な表現は逆に議論の深まりを妨げていると思う。

また、「市民が3日間の評議で死刑か無期か答えを出すということでいいのか。死刑意見が全員一致ではなく過半数だった場合は終身刑とする議員立法を目指す」
とも述べているが、これでは死刑廃止にはならないし、終身刑については上述の通り。

安田好弘弁護士は、
「人の命に対する価値観をどんどん崩壊させている」
と述べているが、死刑が執行されたからといって“人の命に対する価値観をどんどん崩壊させている”とは言えないだろう。
犯罪で人命が失われることに命の価値観の崩壊を感じても、死刑執行には感じない。
むしろ人の命を奪った犯人が死刑にならないことに価値観の崩壊を感じるのではないか。

まず、「死刑廃止を推進する議員連盟」は議員立法で死刑廃止法案を出すべきでは?
議論が深まるのはそういった活動からだろう。
今は死刑を廃止するような国民的意識にはなっていないからだ。

けれど私は永遠にそのような意識にはならない可能性の方が高いと思っている。
絶対神を持たない日本人は、共同体の秩序を乱す人に厳しくすることで、社会を保ってきたからだ。
日本人の意識の中では、刑罰は贖罪ではなく報い(罰)と捉えられている。
西欧諸国が死刑を廃止することと、日本とは事情が異なるのだ。

法の精神と日本人の意識の乖離。
永遠に埋まらない溝だ…

※ここでいう終身刑は仮釈放のないものを言っています。仮釈放のある終身刑は無期懲役とほぼ同じものです。
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