2012年06月28日 18:50
以上引用終わり民主党の混乱―問題は「果たせぬ約束」 朝日新聞社説
マニフェストについて民主党が非難されるべきなのは「約束を果たさなかったから」ではない。「果たせない約束をしたから」である。
分裂状態に陥った民主党で、小沢一郎元代表ら造反議員は野田政権の「公約違反」を批判する。政権交代につながった09年総選挙の公約に消費税増税はなかった。たしかに「国民に対する背信行為」のそしりは免れない。いずれ総選挙で国民の審判を仰がねばなるまい。
だが、野田首相に「約束を果たせ」と言いつのる小沢氏らは財源の裏付けのない「果たせない約束」をつくった責任をどう考えるのか。
もう一度、民主党の公約を見てみよう。
月2万6千円の子ども手当を支給する。月7万円を最低保障する新年金制度を導入する。提供するサービスははっきり書いてある。一方、財源については「むだの削減」といった、あいまいな記述にとどまる。
最低保障年金を実現するには、「10%」をはるかに上回る増税が必要になることも、それにもかかわらず多くの人の年金が減ることも書かれていない。
「負担増なしに福祉国家を実現できる」と言わんばかりの公約だった。
その公約づくりを党代表として主導したのは、ほかならぬ小沢氏だった。子ども手当の額を上積みさせ、「財源はなんぼでも出てくる」と言い続けた。
現実には、子育て支援の充実も年金財政の安定も、増税なしには困難だ。だからこそ、3代の民主党政権が苦しみ続けたのではなかったか。
小沢氏は何をしていたのか。「むだを省けば、増税なしに財源をつくれる」というなら、具体的にこのむだを省けと政権に迫ればいいではないか。増税を試みた菅政権にも野田政権にも、そんな説得の努力をしたとはついぞ聞かない。
小沢氏自身、増税なしには社会保障の維持さえできないことはわかっているはずだ。だから、細川政権時代に7%の国民福祉税を導入しようとしたのではなかったのか。
いまさら「反消費増税」の旗を振るのは、ご都合主義が過ぎる。にもかかわらず造反議員らは「反消費増税」を旗印にした新党づくりを公言している。執行部は厳しい処分で臨み、きっぱりとたもとを分かつべきだ。
「果たせない約束」を掲げて政治を空転させることを繰り返してはならない。次の総選挙に向けて、政治が国民の信頼を回復する道はそれしかない。
非常にまともなことを言っていて笑った。
これを総選挙前に言って欲しかったな。
>マニフェストについて民主党が非難されるべきなのは「約束を果たさなかったから」ではない。「果たせない約束をしたから」である。
私もマニフェストについては色々書いてきたが、これはまさに端的で的確、見事な表現である。
朝日の記者は文章力はあるんだよな~w
多くの国民もそんな事出来ないだろうと、思いながらも変化に掛けたのだ。
だから真摯な反省・謝罪そして説明があれば、世論はこんなにも離れなかったに違いない。
なのに、無理やりマニフェストを実行していますよ、みたいな論で、強弁を繰り返していたから、民心は離れたのだ。
そして今回は、『ムリなマニフェストを実行するべきだ派』と『マニフェストに書いてないけど増税するべきだ派』、というある意味双方とも強弁で乗り切ろうとしている。
前にも書いたけど、なんでもう少し国民と真摯に向き合おうとしないのか?
嘘やごまかし、詭弁ばかり…
そんなことを続けながら、選挙のことを考えているって?、本当に呆れる。
よほど国民をバカにしているんだろう。
まあ、民主党を与党にしたんだから、バカにされてもしょうがないがな。
兎にも角にも、日本の政治にはやらなくてはいけないことが山ほどある。
茶番劇はもうたくさんだ。
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コメント
通りすがりさん | URL | -
Re: 『ムリなマニフェストを実行するべきだ派』と『マニフェストに書いてないけど増税するべきだ派』
ちと長くなりますが・・・
2012/06/28
マニフェストについて民主党が非難されるべきなのは「約束を果たさなかったから」ではない。「果たせない約束をしたから」である。
2009/08/20
さすがはエスプリの国と言うべきか、フランスに『楽天家用小辞典』なる書物があると仏文学の河盛好蔵が書いている。かつて小欄でふれたが、様々な事柄を皮肉たっぷりに定義していて、たとえば「約束」は「選挙のときに使われる小銭」となる
2012/06/28
分裂状態に陥った民主党で、小沢一郎元代表ら造反議員は野田政権の「公約違反」を批判する。政権交代につながった09年総選挙の公約に消費税増税はなかった。たしかに「国民に対する背信行為」のそしりは免れない。いずれ総選挙で国民の審判を仰がねばなるまい。
だが、野田首相に「約束を果たせ」と言いつのる小沢氏らは財源の裏付けのない「果たせない約束」をつくった責任をどう考えるのか。
2009/08/20
民主党は「高校授業料の無償化」や「子ども手当」「高速道路の無料化」などを打ち上げた。待ち望む人はいるだろうが、実を結ばせる財源は大丈夫か。辞典のように寛容にならず、ここはひとつ厳しい吟味が必要だ
片や自民党は、「10年で家庭の所得を100万円増やす」を売りの一つにする。おいしそうだが漠然としてはいないか。かつて「この程度の約束を守らないことは大したことではない」と言った某元首相の声が、どこからか聞こえてくる人もいるだろう
2009/12/18
「尾生の信」として伝わる故事である。約束を違えぬ誠実をほめるか、融通のきかない愚直を笑うか、評価は人によりけりだろう。マニフェストをめぐる民主党政権の逡巡(しゅんじゅん)に、この故事が胸中で重なっていた
2012/06/28
もう一度、民主党の公約を見てみよう。
月2万6千円の子ども手当を支給する。月7万円を最低保障する新年金制度を導入する。提供するサービスははっきり書いてある。一方、財源については「むだの削減」といった、あいまいな記述にとどまる。
最低保障年金を実現するには、「10%」をはるかに上回る増税が必要になることも、それにもかかわらず多くの人の年金が減ることも書かれていない。
「負担増なしに福祉国家を実現できる」と言わんばかりの公約だった。
その公約づくりを党代表として主導したのは、ほかならぬ小沢氏だった。子ども手当の額を上積みさせ、「財源はなんぼでも出てくる」と言い続けた。
現実には、子育て支援の充実も年金財政の安定も、増税なしには困難だ。だからこそ、3代の民主党政権が苦しみ続けたのではなかったか。
小沢氏は何をしていたのか。「むだを省けば、増税なしに財源をつくれる」というなら、具体的にこのむだを省けと政権に迫ればいいではないか。増税を試みた菅政権にも野田政権にも、そんな説得の努力をしたとはついぞ聞かない。
2009/12/18
そんな政府の背中を押すように、小沢幹事長が鳩山首相に「マニフェスト改変」を突きつけた。政府はありがたく拝聴したそうだ。ガソリン減税はやめよと言い、そうなれば公約の重要な変更になる。子ども手当にも所得制限を設けよという
2012/06/28
小沢氏自身、増税なしには社会保障の維持さえできないことはわかっているはずだ。だから、細川政権時代に7%の国民福祉税を導入しようとしたのではなかったのか。
いまさら「反消費増税」の旗を振るのは、ご都合主義が過ぎる。にもかかわらず造反議員らは「反消費増税」を旗印にした新党づくりを公言している。執行部は厳しい処分で臨み、きっぱりとたもとを分かつべきだ。
2012/12/18
予想を超えて財源は窮乏し、マニフェストを貫けば他のもろもろが軋(きし)みをあげる。だが公約への期待も大きい。尾生高ではないが、約束をとっても現実に即しても評価は割れよう。約束破りの役回りを小沢氏が引き受けたとの観測もある
2012/06/28
「果たせない約束」を掲げて政治を空転させることを繰り返してはならない。次の総選挙に向けて、政治が国民の信頼を回復する道はそれしかない。
2012/08/20
「投票用紙で武装して、蜂起する日が近づいてきた」と豪州在住の作家、森巣博さんが小紙に寄せていた。歴史的とされる選挙。蜂起までに公約の虚と実、真と偽をとくと見定めるとしよう。かつがれました、では子孫(こまご)の将来にも申し訳がない。
2012/12/18
ところで、かの「論語」にも尾生高とおぼしき人物が登場するそうだ。酢を借りに来た人に、無いと断らずに、隣から借りてきて体面をつくろったという。孔子さまは「彼は正直者ではない」と難じたと、手元の故事集に教わった▼改変の求めは、優しい首相に代わって幹事長が「酢は無い」と国民に断った図だろうか。孔子さまは小沢さんをほめるかもしれない。だが国民の目には、笑えぬ二人羽織があらためて焼き付いた。
『朝日新聞用小辞典』があるとすれば「天声人語」とは「時々によって変わる社の中の天からの声を下々の民草に語る戯言」となりましょう。
「公正と欺いた傾倒」を隠して世論を空転させることを繰り返してはならない。「社会の木鐸」が国民の信頼を回復する道はそれしかない。
だが国民の目には、笑えぬダブルスタンダードがあらためて焼き付いた。
( 2012年07月01日 02:54 [編集] )
グリッティ | URL | l7H4TccY
1のコメ主様
コメントありがとうございます。
お見事です。
( 2012年07月08日 23:47 [編集] )
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