なでしこジャパンの米コラム全訳

2011年12月03日 10:50

アメリカのスポーツ誌「スポーツイラストレイテッド」に、なでしこジャパンを賞賛する感動的なコラムが載っていたのでご紹介したい。

My Sportsman: Japanese Women's World Cup Soccer Team Sports Illustrated By Matt Dollinger
私が選ぶ今年のスポーツマンオブザイヤー:日本女子ワールドカップサッカーチーム
 

スポーツ・イラストレイテッドは、12月6日にスポーツマンオブザイヤーを発表します。
SI(スポーツイラストレイテッド)記者によるノミネートを、1つをご紹介します。


悲劇に襲われた時、スポーツは、しばしばその重要さを失います。
現実の荒々しい様相と対比された時、私達がスポーツに傾ける情熱は、意味のないものに感じさせます。

しかしスポーツは時として、欠かせない気晴らしを提供する事ができるのです。

9.11テロの後、NYヤンキースとメッツは、悲劇に打ちひしがれた人々を元気づけました。
ハリケーンカトリ―ナの直後、ニューオーリンズセインツはスーパーボウルへの快進撃によって、ニューオリンズ市民の復興への気持ちを1つにまとめあげました。

マグニチュード9.0という、地を裂くような、歴史上最も大きな地震に見舞われた日本で、この夏、日本の女子サッカーワールドカップチームは、3.11の災害によって打ちのめされた人々を勇気づけました。
だから私は、今年のスポーツ・イラストレイテッド、スポーツウーマンオブザイヤーとして、このチームをノミネートします。

内陸6マイルまでを押し流した津波に巻き込まれ、25,000もの人々が死亡、あるいは行方不明となって、帰らぬ人となり、放射性物質の飛散による潜在的脅威のため、高まる緊張をほとんど沈静化出来ず、4ヶ月間、破壊のためによろめき続けた日本。
ワールドカップチームの奇跡的な業績は、悲劇以外の理由で、日本に光を当てたのでした。

ワールドカップに参加するとき、日本は感傷的な気分に支配されていました。
そこに至るまでの5つのトーナメントでたった3勝しかしておらず、ワールドカップはおろか、アジアのタイトルも獲得していなかったのです。
しかし、“なでしこ”(美しい花を意味するチームの愛称)は、グループリーグでニュージーランドとメキシコを破り、トーナメントに進出しました。
そして、1回戦でホスト国のドイツと対戦することになったのです。

それはサッカーが、日本にとって付随的なものから、もっとも重要なものに変化した瞬間でした。
ドイツ戦での108分の膠着状態の後、サブの丸山桂里奈は、2度優勝した経験のある前回優勝国を1-0で破る驚きの勝利を成し遂げるゴールを決めました。
勧善懲悪の実例かのように、決勝点は、丸山によって得点されました。
彼女は、大地震で破壊された福島第一原子力発電所で、オペレータを務めていたのです。
彼女のゴールによって、日本はタイトルへの夢を見続けることができ、また母国に大きな希望と幸福をもたらしました。

この番狂わせだけでも、傷ついた国から来た女性たちの、おとぎ話のような結末として申し分ないものでした。
しかし、物語はここで終わりではなかったのです。
衰えることを知らないほどエネルギッシュなスウェーデンに、3対1で勝利した日本は、史上初のワールドカップ決勝にたどりつきました。

しかし、彼女達が決勝で相まみえるチームは、目覚しい成績でトーナメントを勝ち上がってきていました。
アメリカはその能力を発揮しており、しかもトーナメント1ヶ月前の2-0を含む過去25回の対戦で、日本に一度も負けていなかったのです。

決勝は日本時間の早朝4時頃に始まりました。
にもかかわらず、日本中のファンが、その試合を見るために、リビングに、バーに群がりました。
長い4ヶ月の間、市民は、たとえ一瞬だとしても震災以外の話題にできるなにか、気晴らしになるものを得ようと必死でした。

アメリカは2度、リードを奪いました。
しかし日本の信念はずっと変わることはありませんでした。“決してあきらめない”
キャプテン、澤穂希は、彼女のチームの決意と根性が、決して諦めなかったがゆえに生き残ることができた津波の被害にあった人々を勇気づけることを望んでいました。

アメリカのスター選手、アビー・ワンバックは、104分に祖国にとっての2点目を、ヘディングで奪いました。
しかし、澤はその数分後にコーナーキックをそらして同点ゴールを決め、PK戦に持ち込みました。
ゴールキーパー海堀あゆみの見事な2つのセーブによって、DF熊谷紗希がPKのために、12ヤード離れたところにボールを置いた時には、日本は2対1でリードしていました。
彼女は、この一瞬を消化するために間を取り、肩をまわして、ライトを見つめました。

熊谷は6つのステップを踏み、アメリカのゴールキーパー、ホープ・ソロの左上コーナーに落ち着いてボールを蹴り込みました。
熊谷のチームメイトは、信じられない勝利を祝うため、涙と幸福感の溢れたフィールドを疾走しました。その時、日本の市民も通りへ繰り出していました。その通りは、ほんの数ヶ月前、壊れかけたビルやせり上がる洪水から、人々が避難しようとした通りと同じでした。
その勝利がどれほど重大であったかは、ソーシャルメディアサービス「ツイッター」で、気の遠くなるような7,196ものツイートがその1秒間になされたことでもわかります。

ええ、確かにこれはただのスポーツの話です。
しかし、“なでしこ”は、ほんの一瞬でも、国家を悲嘆から引き上げる助けをしました。
他のだれもこの賞にふさわしくありません。

以上引用終わり

私の拙い訳でコラムを台無しにしているかもしれませんが、意味はとって頂けると思います。

このエピソードは、決勝の相手がアメリカであったこと、それが様々な意味で大切でした。
アメリカ代表チームの騎士道精神に溢れた戦いぶりが、“なでしこ”の奮闘も生んだと思います。
改めて、アメリカ代表チームと“なでしこ”にお礼を言いたいと思わせる素晴らしいコラムでした。
本当にありがとう、そして、“決して諦めない”、と言うことを我々は忘れてはいけない。


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世界一のあきらめない心: なでしこジャパン栄光への軌跡
江橋 よしのり
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My Sportsman: Japanese Women's World Cup Soccer Team
By Matt Dollinger

Sports Illustrated will announce its choice for Sportsman of the Year on Dec. 5. Here's one of the nominations for that honor by an SI writer.

Sports often become trivial when tragedy strikes. The passion we exude over it feels irrelevant when contrasted with the harsher aspects of reality.

But sports can also provide a necessary distraction. The Mets and Yankees rallied tragedy-stricken New Yorkers following the attacks of 9/11. The Saints embodied the city of New Orleans' resiliency by marching to the Super Bowl in the aftermath of Hurricane Katrina.

In Japan this past summer, in wake of the biggest earthquake in the nation's history -- a ground-splitting 9.0 on the Richter scale -- the Japanese women's World Cup team inspired a nation devastated by the March 11 disaster. That's why I'm nominating this team as SI's Sportswomen of the Year.

Nothing could bring back the 25,000 dead or missing from the enveloping tidal waves that swept six miles inland, and little could recede the growing tension caused by the country's potential nuclear fallout. But after four months spent reeling from the destruction, a magical run by Japan's women's World Cup team shed light on the country for a reason other than tragedy.

Entering the World Cup, Japan was a favorite only in the sentimental sense. It had won just three games in five tournaments leading up and had yet to claim the Asian title -- let alone a World Cup. But Nadeshiko (the team's nickname, meaning "beautiful flower") defeated New Zealand and Mexico in group play, advancing to the knockout stage and a first-round battle with host nation Germany.

That's when soccer shifted from Japan's peripherals to its forefront. After 108 deadlocked minutes against Germany, substitute Karina Maruyama found the back of the net in extra time to pull off a stunning 1-0 victory over the two-time defending champions. In an instance of poetic justice, the winning goal was scored by Maruyama, who served as an operator at the Fukushima nuclear plant crippled by the earthquake. Her goal kept Japan's title dreams alive and provided some measure of hope and happiness for her native land.

The upset alone could have served as the fairytale ending to the women from a wounded nation. But the story did not end there. A 3-1 win over perennial powerhouse Sweden clinched Japan its first World Cup final in history.

But the team they'd face in the final was mounting a dazzling tournament run of its own. The United States was hitting its stride and had never lost to Japan in 25 previous meetings, including a pair of 2-0 victories a month before the tournament.

The final started around 4 a.m. local time in Japan, yet fans across the country packed into living rooms and bars to watch. After four long months its citizens were desperate for a distraction, something else to discuss, if only for a moment.

Twice the United States took a one-goal lead -- both in regulation and extra time -- but Japan's mantra all along had been, "Never give up." Captain Homare Sawa hoped her team's determination and grit would encourage "the people hit by the tsunami that they can survive if they also never give up."

U.S. star Abby Wambach headed in her country's second goal in the 104th minute, but Sawa deflected a corner kick just minutes later to square the game again and send it to penalty kicks. Thanks to two spectacular saves by goalie Ayumi Kaihori, Japan held a 2-1 advantage as defender Saki Kumagi placed the ball on the ground 12 yards out for her penalty kick. She rolled her shoulders and stared up into the lights, pausing to take in the moment. Kumagi then took six steps forward and calmly crisped the ball into the top left corner of the net past U.S. goalie Hope Solo. Kumagi's teammates raced onto the field in tear-jerking happiness to celebrate the improbable victory while citizens of Japan poured into the same streets where, only months earlier, refuge was sought from crumbling buildings and rising floodwater. So momentous was the victory that it drew in a mind-boggling 7,196 tweets per second on Twitter, a record on the social media service.

Yes, it was only sports but "Nadeshiko," even for a brief moment, helped lift its nation from grief. No one is more deserving of this award in 2011.
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コメント

  1. おおき | URL | QAajGzMo

    Re: なでしこジャパンの米コラム全訳

    「華僑と植民地統治について」

    ブログ「ねずきちの独り言」
    http://nezu621.blog7.fc2.com/?no=1384

    19世紀以降の欧米の植民地経営で、基本となった政策に「分断統治」とよばれるものがあります。

    これは、植民地支配した国家内部で、異なる宗教、異なる人種、異なる地域ごとに、「集団を互いに反目させる」ことで、長期間の統治を安定させようというものです。

    東南アジア諸国で、このために用いられたのが「華僑」たちでした。
    植民地支配の際の「汚れ役」を、彼ら白人たちは「華僑」にやらせ、その代り「華僑」たちには、富と現地の住民に対する権限を与えた。

    米軍による日本占領をスムーズに行うために、日本国内におけるマイノリティ(少数民族)である朝鮮人たちに、東南アジア統治に使われた華僑と同様の特権を持たせ、彼らに武器を与え、焼土と化した日本国内で、別け取り放題に土地や財産を与える・・・つまり東南アジアにおける華僑の役割を朝鮮人にやらせるという手法が採られています。

    そして特権を与えられた朝鮮人たちが名乗ったのが「朝鮮進駐軍」という言葉です。
    つまり、当時の朝鮮人達が、むしろGHQによって新たな日本の支配層として特権的身分を与えられた、だから武器も容易に入手できたし、駅前の一等地を勝手に支配しても、GHQはこれを野放しにしたとみるのが、自然な流れということです。

    現在まで綿々と続く、コリアンによる日本国内での各種利権に至っている。

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