YS-11復活フライト!

2015年05月30日 07:56

少しupが遅くなってしまったが、大変嬉しい事があった。

戦後初の国産旅客機YS-11の復活フライトである。


20150530YS-11.jpg

YS11無事着陸、操縦室の5人抱き合って喜ぶ 読売新聞

「皆さん、来ましたよ」。

 国産旅客機「YS11型機」が高松空港(高松市香南町)に着陸した27日、空港の展望台や隣接する公園には大勢の航空ファンが駆けつけ、同機が雄姿を見せると大声が上がった。

 この日、空港周辺にはインターネットなどで飛来を知った人々が集まり、大阪府堺市の男性公務員(33)は「何十年も前に作った飛行機がまだまだ飛べる所に、国産技術のすごさを感じた」とうれしそう。滑走路南の公園で撮影した高松市の会社員の女性(24)も「飛んでいる姿がかっこよくて、見応えがあった」。

 無事着陸した後、操縦室の5人も抱き合って喜んだといい、YS11型機の副操縦士として約40年前にパイロットデビューした村田敏太朗さん(66)も「再び操縦かんを握ることができ、子供のようにはしゃいでしまった」と笑顔で振り返った。





独特のキーンという高いエンジン音、双発の美しい機体、再び空を飛ぶ姿が見られて本当に良かった。

スクラップ寸前の機体を蘇らせるこのプロジェクトを成し遂げた「エアロラボインターナショナル」の皆さん、本当にありがとう。

以前に記事にした事があるが
 → 
翔べ!再び 国産の翼 2008年03月30日 オススメ!
戦後日本復活の象徴の一つ、YS-11を失わなかったと事は非常によかった。

今進行している、MRJやホンダジェットのプロジェクトも上手く進行し、日本の航空技術がうまく継承していけるよう期待したい。


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汚らわしい手でYS-11に触れるな!

2010年04月27日 13:08

以下産経新聞より引用

【事業仕分け】1億円?2億円? 「YS-11」維持費めぐり仕分け人が怒り
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100426-00000633-san-pol
2010.4.26 21:09

YS-11
国立科学博物館が所有し、羽田空港に保管されているYS11を見学した蓮舫議員(中央)=19日午前、東京・羽田空港(古厩正樹撮影)

 26日に行われた行政刷新会議の「第2段」事業仕分けでは、展示場所が見つからず独立行政法人「国立科学博物館」が保管したままになっている戦後初の純国産旅客機「YS-11」が問題となった。仕分け人からは「公開のため工夫を」との声が上がったが、結局、仕分けの結論は「現状維持」となった。

 YS-11は、東京都の大田区が公開する計画が実現せず、同区の羽田空港格納庫に保管されたまま。年1回程度、航空関係者らに公開されているが、民主党の蓮舫(れんほう)参院議員らから「もっと一般公開して保管価値を高めるなどの努力をどうしてしないのか」と批判が集中した。

 国立科学博物館の担当者らは「公開を増やしたり、実際に飛行させたりするには、2億円程度の費用がかかる」と弁解。すると、すかさず仕分け人から「現地視察では1億円と聞いた」「数字がいちいち変わっていては議論にも信頼性がなくなる」と反論された。

 ただ、当面は保管に以外に妙案もなく、コスト削減などの自助努力を行うことを条件につけた「現状維持」と判定された。

以上引用終り

汚らわしい手でYS-11に触れるな!って感じだな。私から言わせると。

初の国産旅客機YS-11には様々な人々の思いが込められている。

詳しくは以前にUPした記事で ↓
翔べ!再び 国産の翼 オススメです!

この機体の価値がわからないものに、仕分なんぞする資格がない。

>「もっと一般公開して保管価値を高めるなどの努力をどうしてしないのか」と批判が集中した。

まあ一般公開するのはいいとは思うが、そうすると今以上に費用がかかるわけで、もしその状態で仕分けにかかってたら、費用を減らせって話になるにちがいないと思うけど。
採算にあうほど見に来る人はいないだろうし。

>ただ、当面は保管に以外に妙案もなく、コスト削減などの自助努力を行うことを条件につけた「現状維持」と判定された。

文句はつけられるけど代案はむずかしい。
民主党の今の姿の縮図だな。

もし削減なんかぬかしやがったら抗議電話してやろーと思ってたけどな。

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翔べ!再び 国産の翼

2008年03月30日 23:41

三菱重工業が2013年の就航を目標に小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の開発、生産に乗り出すことを発表した。

本日3/30付の読売新聞社説でも取り上げられている。
国産旅客機 40年ぶり復活の夢とリスク(3月30日付・読売社説)

2006年9月30日唯一の国産旅客機YS-11が退役し、途切れてしまった日本航空産業の灯を再び点してくれることを期待したい。
airplane_ph_ys11.jpg
YS-11 日本エアコミューターHPより

あまり知られていないが、YS-11の就航は、戦後失われた日本人の誇りを取り戻す出来事として、新幹線の開通、東京オリンピックの開催と並ぶ1960年代のビッグイベントだったのだ。

しかしそこまでの道のりは、長く、そして困難に満ちたものだった。

戦後、日本の再軍備を恐れるGHQによって航空に関するすべてのことは禁止され、日本航空産業は壊滅した。
SF講和条約後、1952年から航空活動も認められるようになったが、7年のブランクは大きく、また航空産業はこの間にジェットが主流になるなど大きく革新し、復興は至難の業であった。

このような状況の中で、日の丸航空産業復興の声を上げたのが、通産省重工業局航空機武器課課長の赤沢璋一氏だ。
ソロモン海海戦で九死に一生を得た赤沢氏には、生き残った命を国のために尽くそうという意志と、戦前戦中、世界でも高い水準にあった日本航空産業をこのまま朽ち果てさせてはいけない、という危機感があった。

赤沢氏の下、日本航空産業再生のため、国産旅客機の開発のため、そして技術の継承のため、集結したのが“五人のサムライ”だった。

ゼロ戦を設計した天才「堀越二郎」、B-29を迎撃、撃墜した“飛燕”を設計した「土井武夫」、幻の名機“紫電改”、世界最高の飛行艇“二式飛行大艇”を設計した「菊池静男」、九七式戦闘機、“隼”を設計した「太田稔」、世界周回航続記録を樹立した“航研機”“A26”の開発に携わった「木村秀政」の5人である。

いずれも高い技術を振るう機会を失い、不遇な境遇にあった。
赤沢氏が「日本の航空機を作りたい」と切り出すと、「ぜひ国産機を作らせてください」「大空を次の世代に受け渡そう」……とサムライたちの熱い思いが堰を切ったように次々と飛び出し、赤沢の胸は熱くなった。(「ものがたり日本の航空技術」より)

以後、赤沢氏は予算の獲得、組織の設立に官庁、政治家、業界各社を駆けずり回り、五人のサムライは基本設計に激論を交わした。
予算の獲得は困難を極めた。赤沢氏は睡眠時間を3時間に削り、精力的にあらゆるチャンネルに動き回った。
一方、五人のサムライはそれぞれが一国一城の主であったため、基本設計はなかなかまとまらなかった。

どうにか赤沢氏が獲得した予算で、なんとかまとめた基本設計からモックアップ(原寸大模型)を作成し、政官業界にアピールする作戦に出た。
これで国家プロジェクトに認められなければ、国産旅客機は夢と消えるところまで予算的に追い込まれていた。

モックアップ作戦は図に当たり、一気に国家プロジェクトとしてYS-11は動き出した。

だが、プロジェクトが軌道にのったこの時、60歳を目前にした五人のサムライは揃って辞任を申し出た。基本構想がまとまったこの時点で、気力も体力もある若い技術者にバトンを渡そうと考えたのだ。
サムライたちの遺した言葉は一言だけだった。「全力をつくしてほしい」(「ものがたり日本の航空技術」より)

後を継いだのは当時44歳、三菱重工業の東条輝雄氏(東条英機元首相のご子息)だった。

東条氏と若い開発スタッフは不眠不休で開発に取り組み、1000枚に及ぶ計画図面、そして約1万2000枚の製造図面を描き上げた。

そうして、テスト飛行、米国連邦航空局の試験飛行を経て、1965年4月初就航にこぎつけた。
(この間の艱難辛苦も想像を超えたものがあるがここでは割愛させていただいた。)

その後1972年の生産中止まで182機の量産型を生産販売し、日本はもちろん、アメリカ、南米、フィリピンの空を翔けた。


最終的にプロジェクトとしては赤字ではあったが、戦前から培った日本の航空技術の継承、人材の育成に多大な功績があり、これは金額に直せば莫大な金額になるに違いない。

そして、YS-11は、何よりも日本人のプライドを取り戻してくれた飛行機だった。
その価値は計り知れない。

今回発表された「MRJ(三菱リージョナルジェット)」のプロジェクトは第3の日本の空への挑戦だ。
戦前からの日本の航空技術を引き継いだ日本の翼が高く舞い上がることを期待している。

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