殺処分ゼロを目指した『命の花プロジェクト』

2014年10月28日 08:54

コンテナの中の瞳

犬猫の殺処分ゼロ目指し…青森・三本木農高「命の教育」が伝えること 女性自身

9月末、青森県十和田市にある三本木農業高校(三農)に続々と、愛犬を連れた人々が集まり始めた。動物科学科最大の行事「犬の祭典」だ。午前9時、高らかに開会を宣言した瀧口孝之校長(57)は、こう続けた。

「どうぞ愛犬と一日を楽しんでください。犬や猫たちの殺処分ゼロを目指した『命の花プロジェクト』の鉢上げ体験にも参加してください」

中略

12年4月に始まった三農の「命の花プロジェクト」。県の動物愛護センターを見学した動物科学科の生徒たちが、殺処分された犬や猫の骨が事業系廃棄物、つまりはゴミとして捨てられることに衝撃を受け、始めた活動だ。愛護センターからもらい受けた骨を、生徒たちが自ら砕き、肥料にする。その骨を混ぜた土に、花の苗を植えれば、遺骨は花という新たな命となって再生できる。そんな祈りが込められている。

鉢上げ体験とは、骨が入った土を、参加者自身が鉢に入れ、苗を植える作業のこと。この日、「命の花」30鉢が、「大切に育ててください」というメッセージカードを添えられ、手渡された。

「命の花プロジェクト」は’13年、日本学校農業クラブ全国大会で、参加332校中、最優秀賞に輝き、文部科学大臣賞もダブル受賞。今年は、日本動物大賞のグランプリに輝いている。

5月に開催された青森県動物愛護センターのイベントでも、生徒たちは「命の花」のPRと鉢上げ体験を実施した。この日、プロジェクトスタート時の顧問・赤坂圭一先生(41)が、愛犬とともに会場にいた。先生に立ち上げ時の話を聞いた。

「愛護センター見学は、以前からありましたが、’12年のセンターの担当者の一言がきっかけになったんです」

担当者は、犬の骨を手にして、涙ながらに訴えた。

「殺処分は税金で行われています。皆さんから集めたお金で、動物を殺しているんです。殺す前に、皆さん一人一人ができることはありませんか」

心にグサッときた。生徒たちも思いは同じだ。3日後、自分たちもアクションを起こそうと、皆で話し合った。「野菜農家で骨を肥料に使うところがあるそうだよ」と赤坂先生が言うと、生徒たちが口々に意見をいう。『鉢植えの花にして、動物たちの命をもう1度よみがえらせる!』と、意見は即座にまとまったが、始めてから直面したのが、骨を砕く作業のつらさだった。

「最初は単純に、骨を細かくすればいいと思っていました。ところが、サクサクという、骨をレンガで砕く音が、自分の犬を砕いているような気持ちにさせるんです……」

こうして「命の花プロジェクト」が始まり、今年で3年目。歴代の生徒たちは皆、殺処分の現場を見、衝撃を受け、涙しながら骨を砕いてきた。

愛護センターでの鉢上げ体験で、参加した父親が6歳の息子に語りかけていた。「土に混じる白いものは何かわかるか?犬や猫の骨だ」「うん。かわいそうなワンちゃんたちが花になって、生き返ってもらいたい」「命は巡り巡っているということだな」

三農の命の教育は、生徒たちのさまざまな活動を通して、地域を超え、世代を超え、巡り巡って広がっていた――。

以上引用終わり

犬やネコの殺処分、また殺処分された遺骸は「ゴミ」として処分されること、これに衝撃を受けた生徒たちが、せめてゴミではなく花として生まれ変わらせようと始まった「命の花」プロジェクト。

以前テレビで取り上げられていたところも見たが、生徒たちの気持は分からないでもないものの、「何かが違う」という違和感は禁じ得ない。

例えば、ポルポトの虐殺や毛沢東の虐殺は当初世界には知られていなかった。
それを知った人々が世界に伝えるために、虐殺され放置された人々の骨を砕いて花の肥料にし、鉢植えを世界じゅうの人々に配ったとしたら、それを良い活動と捉えられるだろうか?

人の骨をそのように扱うことに違和感を感じないだろうか?

ちょうど先日ガダルカナル島で亡くなられた兵士の方々の遺骨を収集する活動のことを記事にしたが

 → ガ島から70年ぶりの艦隊帰還 2014年10月25日
70年たっても「遺骨」として持って帰ってほしいという願いが遺族にはあるのだ。

人だからというなら、動物の骨ならいいのか?

命の重さは等しいと教えているのではないのか?

この活動は、犬猫たちの命を軽く見ているのような気がするのだ。

殺処分はなくなってほしいともちろん思う。
それなら花よりも、殺処分の現場を三本木農高の生徒と同じように社会見学で全ての学生に見せたらいいのだ。
その方が何倍もショックを受ける。

規制がなく無原則にペットを販売している状態を改めるように働きかけるべきだ。
ペットをもののように繁殖して増やし、販売しているのは日本だけだ。

そうすればこんなバカもいなくなる。
 → 
海に行くから猫を処分 2010年08月09日

「命は巡る」という考え方は美しい。
しかしそれはあくまで人が介在せずに行われてこそ。
人為的なサークルオブライフは、遺伝子組み換え食品やクローンに感じる“徒花”という印象と同じ感じを拭い去ることができない。


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有料化でペット殺処分激減

2012年05月21日 20:50

犬猫の殺処分4割減…飼い主説得・有料化が奏功 読売新聞

 「引っ越すため飼えない」「しつけに失敗した」「飽きた」――。

 飼育放棄された犬猫は、動物愛護法に基づき、都道府県や政令市、中核市が運営する「動物管理センター」などと呼ばれる施設に送られ、引き取り手がない場合、殺処分される。

 引き取られた犬猫の大半は、野良犬・猫と同様に殺処分されており、動物との共生を訴えるNPO法人「地球生物会議」(東京都文京区)によると、10年度の都道府県別の殺処分数は〈1〉愛知(9958匹)〈2〉大阪(9924匹)〈3〉広島(9128匹)の順で、愛知県は02年度以降、常にワースト3位以内に入っている。

 このため、愛知県と、県内では独自に引き取りを行っている名古屋、豊田、岡崎、豊橋の4市は、引き取りを有料化することで安易な飼育放棄を少しでも減らそうと、昨年4月から1匹あたり2500円(子犬・子猫は500円)の手数料を徴収している。

 また、県は4市を除く市町村での引き取りを廃止し、窓口を県動物保護管理センター(豊田市)と3か所の支所に集約。動物の飼育に詳しいセンター職員が新たな飼い主探しを助言したり、「引き取り後に殺処分されることを理解しているか」「家族で十分に話し合ったか」などと、飼い主に再考を促すことを徹底した。

 こうした取り組みの結果、11年度にセンターが引き取った犬猫は約1900匹(速報値)で、前年度より1600匹近く減少。県全体でも約3340匹(速報値)で、前年度の5428匹(犬732匹、猫4696匹)に比べて2000匹以上減った。

(2012年5月21日16時12分 読売新聞)

以上引用終わり

前にも取り上げたペットの殺処分の話。
 → 海に行くから猫を処分 2010年08月09日

こういうひどい話が減ることは、まあ良いことなんだけども…

昨年4月から1匹あたり2500円(子犬・子猫は500円)の手数料を徴収している。

その結果 ↓

こうした取り組みの結果、11年度にセンターが引き取った犬猫は約1900匹(速報値)で、前年度より1600匹近く減少。県全体でも約3340匹(速報値)で、前年度の5428匹(犬732匹、猫4696匹)に比べて2000匹以上減った。

この結果にに言いようもないおぞましさを感じる。

まず、生き物を殺すことに値段をつけていること。
そして、そのわずか2,500円で、殺処分を思いとどまる命の軽さ。

ましてわが子でさえ、虐待し死なす社会。
何かが病んでいる。そして狂っている。


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