作られた学術会議問題

2020年10月25日 11:51

赤旗が10/1に報じてからもうすぐ1ヶ月、いまだにぐずぐずやってる学術会議問題だが、調べた限りだれもこの論点を論じないので書いてみる。
それは、そもそも何の問題もなかったものを大騒ぎにしているだけ、モリカケ然り、桜を見る会然り、同列の作られた疑惑騒ぎである、という話。


1. 法的に問題?
6人を任命拒否したことは、学術会議法を読むと違法とまではいかなくても、法律の趣旨には沿わない決定であると言える。

第七条 日本学術会議は、二百十人の日本学術会議会員(以下「会員」という。)をもつて、こ
れを組織する。
2 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。

ここが問題のところだけど、普通「任命する」と法律にあるときは、任命拒否はしないものだ。
さらに

第二十五条 内閣総理大臣は、会員から病気その他やむを得ない事由による辞職の申出があつ
たときは、日本学術会議の同意を得て、その辞職を承認することができる。
第二十六条 内閣総理大臣は、会員に会員として不適当な行為があるときは、日本学術会議
申出に基づき、当該会員を退職させることができる。

辞職や不適切な人間の退職についても、学術会議の同意や申し出がないと総理は判断できないようになっていることからも、学術会議は相当独立性を高く担保されている法律構成といえる。
つまり、今回の任命拒否は純法律的に見れば違法とまではいわなくても、法律の趣旨にははんしているといえる。

2.あれから37年
状況は変わっていったのではないか。辞任や不適切な人間の退職についても学術会議の同意や申し出に基づいてしか、総理に判断できないような法律構成になっているので、相当に学術会議に独立性をもたせていることがわかる。

これは中曽根内閣の時、学術会議会員の選出を選挙から推薦に変えた際、政府の介入を追求されたときの内閣が、政府は推薦された人を追認するだけですよっていうことで追求をかわした経緯があり、そのときはとにかく推薦に変えたかった政府の思惑をとおすため、学術会議には独立性が強く担保されたのである。

これらのことか任命拒否は法律違反に近いといえる。

学術会議は今回の一報が赤旗からだったことからもわかるように、共産党の色が濃くなっていった。
いくらなんでもこの人はちょっと…という推薦人も出てきて、政府と学術会議で調整することが出てきたのではないかと思われる。
それを示すのが菅総理のこの言葉。

 首相は自身が任命を決裁する段階で学術会議が推薦した6人は既に除外され、99人だったと説明。推薦段階の名簿は「見ていない」とした。どの段階で除外されたかは明らかにしなかった。

西日本新聞
105人の名簿は見ていない、なんて言ったら野党やマスコミからバッシングを受けるのは火を見るより明らかなのに、あえてそう発言したのは、誰かあてのメッセージなのではないか、と思う。
それはすなわち学術会議の現会長を始めとする執行部ではないか。

実際菅総理は99人の名簿しか見ていないし、下手をしたら政府のだれも105人の名簿は見ていないのかもしれない。
官邸と学術会議間で調整のために何度かやりとりをする中で、何らかの手違いが起こり、99人の名簿で官邸側は話を進めてしまったのではないかと、と思う。
この調整が行われていた傍証となるのが、

【独自】2018年の補充時も官邸難色示す 学術会議の任命拒否問題 東京新聞

 日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を政府が拒否した問題を巡り、2017年に交代会員を決める際、会議側が定員より5人程度多めに推薦候補者をリストアップしていたことが分かった。関係者が6日、明らかにした。

 共同通信
これらの報道である。

確かに法律構成上は、学術会議が推薦する人間を任命するようなっているが、37年の年月を重ねるうちに、調整を取り入れるようになったということだ。
これは本来法律を変えるところからやらなければいけない話だが、国会は政争の場所に成り下がり、立法府の仕事ができないため、実務として内容が変質していることはあまりにも多くある。
その一例であり、法律違反というには木を見て森を見ず、という話でもある。

そして今回は、おそらく学術会議側に手違いがあり、99人の名簿で話が進み、学術会議側は105人の人に推薦したと伝えてしまったため起こった事態ではないか。

現会長のこの反応からもそのことが推測される。

膳場貴子アナ 学術会議梶田会長に「拍子抜け」…当事者のトップが説明すら求めず デイリースポーツ

菅総理のメッセージ「99人だったよね?」は「学術会議の方で、話おさめろよ!」という意味。
この話に、この学者が反政府だとかそんなことは何も関係ない。
手違いをネタとして、火のないところに煙を立てただけ。
最近この手の話が多すぎる。


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